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【緋色の欠片】セリフ全文公開!プロローグから村到着まで

こんにちは!いさきちです!

今回から本格的に緋色の欠片を攻略していきたいと思います!

かなり長くなると思うんですがよろしくお願いします!

 

この記事ではプロローグから主人公が村に到着して

妙な生き物と出会うところまでを記事にしていきます。

 

セリフも全て載せていきますのでお時間の許す限り

お付き合いいただければと思います。

 

分岐点に関しては選択肢にリンクを貼っていこうと思っています。

 

プロローグ(夢の中)

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暗いところ。沈黙の闇。音が聞こえない。

ここは静かで。そう。何もない場所。

 

ただ目の前に男がいて、その顔が、悲しげにこちらを見ている。

顔は、ぼやけてよく見えない。視界がぬれていて。

何もかもが淡く溶け合っていて。

 

胸は何か、言い知れない感情でいっぱいになっていた。

どうやら私は、泣いているらしい。

 

ぼんやりとした視界の中でわかるのは、男が血だらけで

ぼろぼろだということだけ。

 

私は体じゅうの力が抜けていて、ああ、たぶんここで

死んじゃうんだろうなあ、とかそんなことを考えている。

 

男の人はじっとこちらを見ていて、悲しそうな顔だな、

とやはり他人事のように私は思っていて。

 

それなのに一方では、とても悲しく思っている私がいる。

気持ちが二つにわかれてしまったかのような、

不思議な感覚。

 

『封じられたのか』

 

その人は声なき声で言う。

 

『封じられたのか』

 

切実に。限りない悲しみと、深い闇のような悔恨を込めて。

 

『すまない』

 

泣いてる。私の心の悲しい部分がそう感じる。

 

『すまなかった』『どう言って、詫びたらいい』

 

泣かないで、そんなふうに、悲しそうにしないで。

 

そういう彼の悲しみも、張り裂けるほど深くて、

私にはそれが余計につらい。

 

『私は、どうすれば』

 

声は聞こえない。ここには静寂しかない。

 

それなのに、その人の言葉はとても切実で、

それだけはよくわかって・・・・・・。

 

その人の言葉は、その人の悲しみは、

体に反響し、頭を浸し、胸ににじむ。

 

『だめです』

 

口が、勝手に動く。

 

『だめです』

 

私は、全ての感情を込めて言う。

 

『そんなふうに、悲しい顔をしてはだめです』

『どうか、ご自分を責めないでください。

   ご自分をさいなまないでほしいのです』

『けして、あなただけが悪いわけではありません』

 

ぽたぽたと温かいものが、頬に当たる。それが血か、涙か

それすらもわからなかった。

 

『あなたさまは悲しみに暮れていらっしゃるのですね。

 わたくしと同じように』

 

『ああ、どうか』

 

『どうか。あなた様の罪が、許されるよう』

 

『わたくしはどうあっても、かまいませんから』

 

『あなたさまの心にいつか、平穏が訪れますよう。私は・・・・・・』

 

目が勝手に閉じていく。ああ、まだだめなのに。

本当に大切なことは、まだ何一つ伝えられていないのに。

 

じき、意識はなくなる。じき、私は死ぬ。

 

でも、問題なのは、そんなことじゃない。

 

声が出ない。それだけが、重要なことだった。

今、この人に、伝えるべき言葉を乗せる、声が、出ない。

 

心の底から、伝えたい言葉があるのに。

 

ただ一言、彼に言いたい。気が狂いそうになるほどの

強い望みだけが、心の中にある。

 

許しも、思い出も、憎しみも、悲しみも喜びも怒りも

悔しさも憂いも愛しさも全て。

 

全ての感情を込めて、あなたに伝えたい言葉が。

私は、あなたに・・・・・・。

プロローグ(現実)

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・・・・・・暖かい陽光が注いでいることに気づく。

 

私は、どこにいたんだっけと、痺れた頭でそう考えてみる。

なんだか、妙に悲しい気持ちが、胸の中にあった。

 

放っておくと気持ちがふさいでいきそうだったので、

私は、気持ちを現実に向け、目をゆっくりと開けると、

そこには・・・・・・。

 

そこには見覚えのある風景がひろがっていた。

片側にいは森へと消える道が続いていて、そちらの方から

かすかに虫の音が聞こえる。

 

あぜ道は日に照らされて白く輝いていたし、

用水路を流れる水も涼しげだった。

空はどこまでも青く、高い。

 

私は、いかにも田舎という感じの、バス停のベンチに座っていた。

どうしてか、夢の続きにいるみたいだって、私は思う。

 

どんな夢だったか、いくら思い返そうとしてももう思い出せない。

何度も見たようなそんな印象だけがはっきりと残っていた。

 

珠紀「変な夢、だったような。そうでもないような」

 

いつも見る夢。だけど、今の夢は、いつもより深くてずっと強い印象を

残す夢だったような気がする。

 

私は一人ため息をつく。夢のことなんて、考えてもしょうがないよね。

 

柔らかな風が吹いて、その風の匂いに、私は懐かしいものを感じて、

ちょっと嬉しくなる。

 

珠紀「あー帰ってきたー」

 

大きく伸びをして、それから深呼吸を一度。

涼やかで草の匂いのする空気が、体の中を洗っていく。

 

珠紀「やっぱりこのあたり見覚えあるな」

 

まだなんとなく記憶に残ってる。懐かしい風景。

あぜ道の先にある、明るい森。よくここで遊んだなあ。私は目を細める。

 

・・・・・・それにしても、バスを降りてからもう

一時間くらい経っている。

おばあちゃんの家から、迎えの人が来るって聞いてた。

 

一時間待っても迎えの人がこないのは、迎えの人が

遅刻しているわけじゃなくて、私がここに早く着きすぎたせい。

 

そのおかげで、私はずいぶん長い間、このベンチで

迎えの人を待っているのだった。

バスはなぜか村まで通じてない。

 

【季封村入口】というこの停留所がバスの終点。

かなりの距離があるのに、あとはひたすら歩くしかない。

まあ、仕方ないんだけど。

 

父も母も海外に転勤するとかで、その間私は、おばあちゃんの家で

生活することになっていた。

 

別に、反対じゃなかった。おばあちゃんの家には小さな頃

何度か遊びに来たことがあって、当時の記憶は

優しい思い出ばかりだったから。

 

森や静かな虫の音や、田んぼや畑ばかりの風景が、

案外私は好きだった。

そう、あの頃の私は、よく森に、一人で遊びに行った。

 

空想遊びが好きで、自分で勝手に不思議な生き物を思い描いては

その生き物と一日中遊んでいて・・・・・・。

 

だから、父や母としばらくわかれるというのは少し寂しかったけれど

その反面、田舎に行くのが楽しみでもあった。

 

私はずっとそれを心待ちにしていて・・・・・・。

 

不意に柔らかな風が吹いて、現実に立ち返る。

ここでぼんやりしているのも、嫌いじゃないけどさすがに

また眠っちゃうのもどうかって思うし。

 

ここからおばあちゃんの家までの道だって、覚えてないわけじゃないし。

私は立ち上がって、足元にある荷物を眺める。

 

珠紀「まあ、問題はこの重たい荷物を担いで、

           結構歩かなきゃいけないってことなんだけどね」

 

とはいえ、ただ待ってるのもなんだし。今から歩けば、きっとどこかで

行き会うはず。

 

思い荷物を手に持ち、私は再び歩きだした。

数歩もいかないうちだったと思う。それが起きたのは。

 

バリ、という何か乾いた紙を踏んだような、そんな音が聞こえた気がした。

 

あたりを見回してみても特に何かが起きた様子はなくて。

たぶん、気のせいなんだろうなと思ってもう一歩足を前に出した時。

バチリ!

 

珠紀「痛っ!」

 

今度は相当に大きな音がして、体に痛みが駆け抜けた。

静電気の痛みを何倍にも膨れ上がらせたようなひどい痛み。

 

ドサリ。

 

思わず荷物を取り落としてけれど、それきり終わってしまった。

心臓が、鳴っていた。

 

胸を押さえて、後ろを振り返る。

今、何かを通り抜けたという感じがした。

 

そこには何もない。何もないはずなのに、妙な違和感があった。

圧迫感といった方がいいかもしれない。

 

まるで透明な壁が、目の前にそびえているようなそんな感じがする。

 

珠紀「・・・・・・境界線」

 

知らず、そう口が動く。

なぜだか、それが境界線とわかる。知らないのに

知ってる不思議な感覚。

 

体の中にある何かが、ささやいているように感じる。

内と外をわける壁。何かを守るのではなく、

何かを外に出さないための。

 

なんとなくそんな思考が勝手に広がる。

おそるおそる、その見えない壁に手を伸ばそうとして、

やっぱりやめた。

 

寝ぼけてるだけなのかもしれない、とそう思ったし、なんとなく

確認するのが嫌だった。

 

ひょっとしたら、またあの痛みが、と思うと、気後れする。

遠くから鳥の声が聞こえてくる。

 

さっき起きたことがほんとのことだと思える証拠は何もないし。

 

珠紀「たぶん、寝ぼけてたんだよね」

 

力強くうなずく私の足元を、何か小さなものが通り過ぎていった。

 

珠紀「・・・・・・ん?」

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小さなものが、そこにいる。二本足で立ってて、大きさは猫くらい。

 

丸い灰色のボールみたいなものに、

鉛筆で一本線を引いたような手足がある。

それはまるで、小学生のいたずら

書きのような生き物だった。

 

珠紀「んん?」

 

向こうもこっちをみあげて、ちょうど目が合う。

 

???「ナンゾ?」

 

・・・・・・喋った。

・・・・・・喋った?

 

私の凍りついた頭がようやく回転を始めて、

そくざにオーバーヒートした。

 

珠紀「・・・・・・喋った!?」

 

思わず大声を出しそうになるのを、なんとか押し止める。

わかった。よくわかった。これ、やっぱり夢だ。

 

???「ナンゾ?」

 

小さい生き物がピョコピョコとこちらに近づいてきた。

 

珠紀「・・・・・・夢だ。絶対これ、夢だ」

 

自分でも口元がひくつくのがわかった。

 

???「クモツカ?」

 

真面目くさった顔で、そのマンガみたいな

生き物は道に転がった

みかんを指差して言う。

 

・・・・・・さっき、荷物を落とした時に、バッグから

こぼれてしまったのだろう。

 

???「クモツカ?」

クモツ?なに、クモツって何?

なんだかよくわからずに、とにかくうなずくと

それはみかんを一つ両手に抱えた。

 

???「アリガタイ」

 

ぺこりと頭を下げる。ものものしい動作のつもりかもしれないけど。

手に持っているのはみかん。威厳とは程遠いその姿。

 

・・・・・・不覚にも、かわいい、などと思ってしまう。

 

でも、なんだか、この生き物、どこかで・・・・・・。

ううん、違う。不意に私は気づく。

 

どこでもなにも、この生き物は・・・・・・。

まとめ

前の記事で書いてたと思うんですけど

かなりの長編なのでゲームというよりは小説読んでる感覚に

近いかなって思います。

かなり世界観が好きでぜひ知ってほしいという思いから

記事にすることにしました。

イラストや音楽がかなりいいなと思ってるので

この記事を見て触れていっていただければと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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